忘れられた美しい金属
夜明け前の海、薄明。水平線は黒から青、紫から赤へと境目なく色を変えてゆく。漆黒の闇を切り裂く暁が近づき、空は真紅に染まる。最も清廉で神秘的な時間。
古く日本に、まるで夜が明けていくように色を変える金属素材がありました。その美しさ、強さは人々を魅了し、刀の鍔(つば)や根付(ねつけ)、簪(かんざし)をはじめとした武具や装飾品として愛用されました。ところが時代の移り変わりは荒波のように激しく、武具が消え、装飾品が姿を変えるのと同時に、その素材は人々の心から消え、製法も忘れられてしまいました。
MIORINGではその美しさに注目して、工房に伝わる古い文献を紐解き、試行錯誤を経てブライダルリングとして現代に蘇らせました。