上質な黒を求めて

最も厳かで、格式のある場面に使用される色。黒は人生を彩る節目に欠かすことのできない正装の色です。

人の心とその場の空気を引き締める清廉な黒。黒色にも鉄黒、紫黒、黒檀…と様々な種類がありますが、その中でも墨による黒は私達にとって身近です。古くから伝わる書では書き手の喜怒哀楽を伝え、水墨画においては淡く霞む山々や、透明感のある水までも表現するほど豊かな美しさを含んでいます。

MIORINGではこの豊かな黒に注目して、ブライダルリングにふさわしいフォーマルなジュエリーを追求しました。

極上の艶を生むレアメタル

プラチナの仲間である白金族の「ルテニウム」は、貴金属であると同時に極めて希少なレアメタルです。プラチナよりも硬度が高く、プラチナを熔かす温度をはるかに上回る超高温でなければ熔解することができません。また着用によるアレルギーが起こりにくく、安全性が高いのも特徴です。ジュエリーにおいてはプラチナの硬さや耐久性を補い、向上させる素材として数％配合されることがあります。

この希少金属を使用し、特別な方法で上品な黒のコーティングを施したものがブラックルテニウムコーティングです。

味わい深く変わる美しさ

MIORINGのブラックルテニウムコーティングは加工するデザインを選びません。
金属どうしを強力に固着させて皮膜とするため、極めて薄くコーティングすることが叶います。和紙の風合いや鎚目の起伏、彫刻の陰影を埋めてしまうことなく、素材の魅力をそのままに色と艶だけを美しい黒に変えます。

この加工は一般的なコーティングやメッキのイメージのように、パリパリと剥がれ落ちる心配がありません。リングと一体になった皮膜は、使用による摩擦や傷でリング表面と同時に削れ、およそ一年から三年程度の時間をかけて変化。デニムが色落ちしていくような豊かな変化とともに薄くなり、次第にリング本体の金属が姿を見せます。表面に凹凸やテクスチャーがある場合はいっそう味わい深く表情が変わり、ブラック、グレーとリング本体の素材色が一つになった、階調豊かな味わいも魅力の一つ。ご希望の場合は有料の再コーティングで新品同様に戻すこともできます。

どんなものにも染まらない黒。心を引き締め、大切なものを守る強さを示す色。二人の出発を見守るのにふさわしい、フォーマルな素材です。